Lektion13 比較級と最上級

形容詞の使い方を覚えたら、次は比較級・最上級を覚えましょう。

1.比較級・最上級の作り方

ドイツ語の比較級は原級 + -er で作ります。
また、最上級は原級 + -st で作ります。
ただし、-s, -ß, -z, -t, -d に終わる形容詞は原級 + -est となります。
-tst なんて言いにくいので、-test とするんですね。
それと、短い単語の時にはウムラウトする傾向があります。

さて、schön (美しい)を例に挙げてみます。
比較級は-er を付けてschöner (より美しい)
最上級は-st をつけてschönst (一番美しい)となりますね。
この2つはどちらも、付加語として名詞の前に置かれたときに格変化します。
変化の仕方は、形容詞と同じです。
「絵」は中性名詞でBild ですので、「より美しい絵」と言いたいときには、
ein schöneres Bild
「最も美しい絵」と言うときは
das schönste Bild
と、形容詞と同様の格変化語尾を付けてやります。
もちろん格変化するのは付加語的用法の場合のみです。

2.副詞的・述語的用法

述語的用法とは、「S (主語)は 「副詞」の具合にV (動詞)する」
という文の「副詞」に当たる部分に形容詞を持ってきてやることです。
例文を見てみましょう。

・Sie tanzt schöner.(彼女はより美しく踊る。)

英語のthan (~よりも)に当たるのはドイツ語のals です。

・Elis tanzt schöner als Hanna.(エリスはハンナより美しく踊る。)

このように比較級を副詞的に使うにはなんの語尾もつける必要はありません。
また、weit や viel を使うとこれを強めることもできます。

・Elis tanzt weit schöner als Hanna.(エリスはハンナよりずっと美しく踊る。)

最上級の場合はam + -en という形をとります。

・Elis tanzt am schönsten.(エリスは最も美しく踊る。)

次に述語的な用法です。
「~は・・・である」とかいう場合の、「・・・」に比較・最上級をもってくる場合です。
このときも、比較級はそのまま使います。

・Dieses Auto ist schneller.(この車の方が早い。)

最上級は定冠詞 + -e(n) または am + -en という2つの表し方があります。
どちらを使ってもかまいません。

・Dieser Mann ist der ältesete in diesem Dorf.(この男はこの村で一番年をとっている。)

・Dieser Mann ist am älteseten in diesem Dorf.(この男はこの村で一番年をとっている。)

alt は「古い、年寄りの」という意味で、比較級・最上級ではウムラウトします。
Dorf は中性名詞で「村」です。
前者の文でder が使われているのはMann が男性名詞だからです。
主語が女性ならdie 、中性ならdas 、複数ならdie と異なってくるので注意してください。
前の文と後の文の使い分けについては「noch einen Schritt weiter」で後述します。

3.不規則に変化する形容詞

比較級・最上級の作り方が-er, -st と単純に作ることができないものもあります。
それほど多くありませんが、ここでは代表的なものを載せておきます。

原級 - 比較級 - 最上級
gut - besser - best (良い)
viel - mehr - meist (たくさんの)
wenig - minder - mindest (少ない:weniger - wenigst という通常変化も可能)
groß - größer - größt (大きい)
hoch - höher - höchst (高い)

ドイツの文豪ゲーテの最期の言葉は

・Mehr Licht.(もっと光を。)

であったといいます。
このmehr はviel の比較級。Licht は中性名詞で「光」です。

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noch einen Schritt weiter ~もう一歩先へ~

さて、最上級の述語的用法の定冠詞 + -e(n) とam -sten の違いですが
同一物中の比較の場合には必ずam -sten が用いられます。
同一物中の比較というのは、

・Der Berg ist im Sommer am schönsten.(その山は夏が一番美しい。)

のように比較の対象が別のものでなく、同一物である場合です。

それから、「als ~」無しで、付加語として比較級が用いられた場合です。
この場合、「比較的~な」という意味になることがあります。

・Der ältere Mann liest ein Buch.(わりと年をとった男が本を読んでいる。)

最後に、形容詞や比較級を使った重要表現をいくつか。
so 「原級」 wie A(Aと同じくらい「原級」だ)

・Er ist so alt wie Hans.(彼はハンスと同じくらいの年齢だ。)

je 比較級A, desto(またはum so) 比較級B(A であればあるほどB だ)

・Je höher der Berg ist, desto tiefer ist das Tal.(山が高くなればなるほど、谷も深くなる。)

immer + 比較級または比較級 und 比較級(ますます~だ)

・Er wird immer kluger.(彼はますます賢くなる。)

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