今回から過去形・完了形にも触れていきますよ。
ドイツ語を学んでいる皆様に朗報ですが、ドイツ語の時制は英語ほど難しくありません。
すでに例文の中で気づかれたかもしれませんが、
英語で言う現在進行形(今~している)はドイツ語では現在形で表わせます。
「私はドイツ語を勉強する。」も「私は今ドイツ語を勉強しているところだ。」も
どちらも「Ich lerne Deutsch.」の一文で表わせちゃうんですね。
意味をはっきりさせたいなら、「今」の意味の「jetzt 」を加えて、
「Ich lerne jetzt Deutsch.」としてやると英語の進行形の意味がはっきり表わせます。
本題に入りましょう。まずはドイツ語の過去形、過去分詞の基本的な作り方です。
・過去形 語幹+te
・過去分詞 ge+語幹+t
過去形というのは「~した」の形ですよね。
これは動詞の語幹に-te をつけるだけで完成です。
lernen の過去形ならlernte となります。
ただし、語幹が-t や-d で終わる動詞なら、-eteと、e を付け加えることになります。
arbeiten ならarbeitete という形になるわけです。
過去分詞は語幹をge- と-t でサンドイッチすれば完成です。
lernen ならgelernt という形になります。
完了形や受動態と作るときに必要になってきますが、この話は別の単元で。
過去分詞を作るときは注意がいるものもあります。
まず1つ目が分離動詞。
分離動詞を過去分詞にするときはge- が前綴りの後ろに入ります。
an|machen (開ける)の過去分詞ならangemacht と、前綴りan の後ろにge- が置かれます。
2つめはアクセントが第一音節にない動詞です。
-ieren で終わる動詞や非分離前綴りを持つ動詞がこれに当たります。
この場合、過去分詞にはge- を付けず、単に語幹+t の形となります。
studieren の過去分詞はstudiert 、besuchen ならbesucht となるわけです。
英語でもそうであったように、ドイツ語でも過去形・過去分詞が不規則変化する動詞があります。
これもよく使う動詞が多いので、がんばって覚えていきましょう。
最も重要なものだけ紹介しておきます。
不定詞―過去基本形―過去分詞
sein - war - gewesen
haben - hatte - gehabt
werden - wurde - geworden
この不定詞、過去基本形、過去分詞の3つを、動詞の三基本形といいます。
過去形を実際に使うとき、現在形と同様に人称変化語尾がつきます。
これは現在形とほとんど違いはありません。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | - | -en |
2人称 | -st | -t |
3人称 | - | -en |
1人称と3人称の場合のみ、語尾は付けずに過去基本形のままとなります。
・Ich lernte Deutsch.(私はドイツ語を勉強していた。)
・Du lerntest Deutsch.(君はドイツ語を勉強していた。)
・Ich war Student.(私は大学生だった。)
・Wir waren Student.(私たちは大学生だった。)
・Ich machte die Tür an.(私はそのドアを開けた。)
・Sie machten die Tür an.(彼らはそのドアを開けた。)
このようにつかっていきます。
ドイツ語には進行形は存在しないので、英語で言う過去進行形も過去形のみで表せてしまうのです。
しかし、この過去形ですが、現代ドイツ語ではあまり使われない傾向があります。
その理由は次の単元で紹介します。
過去の話をしたのでついでに未来形の話もしておきましょう。
未来形は、werden + 不定詞で作ることができます。
ただし、未来形とは名ばかりで、未来形の意味としては、未来のことでなく推量を示すことがおおいようです。
・Er wird im Büro sein.(彼はオフィスにいるのだろう。)
werden の人称変化は不規則でしたよね。
もう覚えたでしょうか。
Büro は中性名詞で「オフィス」です。
このように、定動詞の位置にwerden 、文末に不定詞を持ってきてやると完成します。
上の文では未来のことでなく、現在の推量を表しています。
確定した未来を表すのには、現在形を用います。
・Ich fahre morgen ab.(私は明日出発します。)
分離動詞のab|fahren (出発する)を使った例文です。
明日の出発はもう揺るがない確定した未来なので、現在形を使って表現しています。
これが、まだ確実な証拠がなく、推量に過ぎないときには未来形になります。
・Er wird morgen abfahren.(彼は明日出発するのだろう。)
以上で、今回はおしまいです。次回は完了形についてやっていきます。