Lektion17 再帰動詞

今回は再帰動詞についてです。
少しややこしいかもしれませんので、しっかりついてきてください。

1.再帰動詞の作り方

再帰動詞について、いきなりですが例文を見てみましょう。

・Ich setze mich auf der Bank.(私はベンチに座る。)

setzen は通常「~4を座らせる」という意味の他動詞。
Bank は女性名詞で「ベンチ」です。(余談ですが、中性名詞でBank と言うと、「銀行」の意味になります)

しかし、ここではsetzen の目的語に、主語である「私」がきていますね。
その結果、「私を座らせる」=「座る」の意味になっているわけです。
このように、目的語が主語に「再」び「帰」ってくる動詞を再帰動詞と呼びます。

再帰動詞とともに用いられる代名詞を(上の例文でいうところのmich )を、再帰代名詞と呼びます。
再帰代名詞は、1人称と親称2人称の場合は人称代名詞と同じ、
3人称と敬称2人称の場合はsich という語を用います。

上の例文を見ると、主語は1人称なので、再帰代名詞も1人称の4格と全く同じmich が使われているわけです。
では、2人称、3人称を使った例文も見てみましょうか。

・Du setzt dich auf den Stuhl.(君はイスに座る。)

・Er setzt sich auf den Stuhl.(彼はイスに座る。)

・Sie setzen sich auf den Stuhl.(あなたはイスに座る。)

このように再帰代名詞は親称2人称du では人称代名詞と同じdich 、3人称と敬称2人称ではsich が使われています。
復習になりますが、3・4格支配の前置詞auf の目的語は、ここではイスに座るという動作の方向を表しているので、4格が使われていますね。
みなさん、前置詞の格支配はもう身についているでしょうか?

さらにいくつか例文を見てみましょうか。

Ich interessiere mich für Germanistik.(私はドイツ語学・文学に興味が有ります。)

再帰動詞の中にはこのように前置詞とともに意味を形成するものもあります。
sich4 für~4 interessieren は「~に興味がある」という意味です。
この場合、再帰動詞は単純に「~を」という意味の、動詞の目的語にはならないので注意しましょう。
前置詞と一緒に意味をもつ再帰動詞で、間違えやすいものを1つ紹介しておきます。

sich auf~4 freuen 「~を楽しみにする」

sich über~4 freuen 「~を喜ぶ」

また、ごく稀に4格ではなく3格の再帰代名詞をとる再帰動詞も存在しますが、
1人称と親称2人称では人称代名詞と同じくmir とdir 、
3人称と敬称2人称ではsich を用いることは変わりません。

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noch einen Schritt weiter ~もう一歩先へ~

今回学習したsich の用法について、覚えておくと便利な熟語を紹介します。

an sich それ自体

für sich ひとりで

bei sich sein 正気である

außer sich sein 我を忘れる

また、sich を単独で使うと、「お互いに」という意味になります。

・Sie schlugen sich.(彼らはお互いに殴りあった。)

ここでのsich はeinander(お互いに)と同じ意味を持ちます。

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