Lektion3 子音の発音

今回で基礎は最後。子音の発音です。
基本的にローマ字通りに読めばいいドイツ語ですが、子音には注意するものがいくつかあります。

1.単子音

まずはじめに、子音が1つだけの場合です。
注意が必要なものは全部で6通りあります。

その1. J=Yの音
 ドイツ語のJ は英語で言うY の音になります。
 ヤ行で発音しましょう。J の読み方は「ヨット」でしたよね。
 Jはヤ行の音だから、ヤ行の「ヨ」で始まるんです。
 「ヤ」「ユ」「ヨ」の前には小さな「ィ」よりさらに短めの「ィ」を入れて
 「ィヤ」「ィユ」「ィヨ」のように発音するのが、上手く聞こえるポイント。

 ・Japan〔ヤーパン〕日本  Juli〔ユーリ〕7月

その2. V=Fの音
 ドイツ語でV の読み方、覚えてますか?
 そうです。「ファオ」でしたね。
 ということは・・・・想像はつきましたか?
 V はF の音に変わるんです。
 下唇を上の歯につけて発音しましょう。

 ・Vater〔ファーター〕父  Vogel〔フォーゲル〕鳥

その3. W=Vの音
 V がF ならドイツ語には「ヴ」の音はないの?
 いえいえ、ちゃんとあるんです。
 W の読み方は「ヴェー」でしたね。
 「ヴェー」の「ヴ」から想像できるように、ドイツ語ではW が「ヴ」の音を作ってくれます。
 これも下唇を上の歯にしっかりつけて発音しましょう。

 ・Wagen〔ヴァーゲン〕車  Wetter〔ヴェッター〕天気

その4. Z=tsの音
 「ツェット」の発音から想像できるように、Z は「ツ」と読みます。
 「ヅ」と濁らないように気を付けてくださいね。

 ・Zahl〔ツァール〕数  Zoo〔ツォー〕動物園

その5. S+母音=Zの音
 ドイツ語でもS は「ス」と読んでいいのですが、母音の前に出てくるときだけは濁ります。

 ・Sie〔ズィー〕あなた  See〔ゼー〕海

その6. 子音後や語末の-b, -d, -g=-p, -d, -t
 B やD やG は
 Boden〔ボーデン〕地面  Dame〔ダーメ〕女性  Gott〔ゴット〕神
 のように母音と一緒のときはローマ字通り、濁った音で良いのですが、
 子音が後ろに続いたり、語末にあるときは澄んだ音(無声音)になります。
 つまり、B=P, D=T, G=K の音になるということです。
 いくつか例を見てみましょうか。

 ・Gelb〔ゲルプ〕黄色  Kind〔キント〕子供  Tag〔ターク〕日

2.ちょっとだけややこしい?複合子音

次に複合子音ですね。子音が2つ以上くっついている場合の特殊な読み方です。
これは単子音より覚えづらいかもしれませんね。
しかしこの複合子音、とてもドイツ語らしい音ばかりで、管理人は大好きです。

その1.ch の発音
 ch の発音には2通りあります。
 はじめはa, o, u, au の後ろに来た場合の発音ですが、
 前の音に続けて喉の奥から息を吐き出しましょう。
 口の形はそのままにして、ため息を出す感じです。
 例.Bach〔バッハ〕小川  Koch〔コッホ〕コック  Buch〔ブーフ〕本  Bauch〔バオホ〕腹
 a もo もu もウムラウトできる文字なので、グループとして覚えやすいですね。
 a, o, u, au の後のch はため息です。
 
 そしてそれ以外の場合は「ヒ」と発音します。
 つまりi とe の後やau 以外の二重母音、子音の後ろのときですね。

 ・Teppich〔テピッヒ〕絨毯  Pech〔ペヒ〕災難  Teich〔タイヒ〕池  Milch〔ミルヒ〕ミルク

その2.chs,x の発音
 その1を見ていただくと、ch はどれもハ行の音になっているのがわかりますね。
 ところが、唯一ch がハ行にならない場合も存在するのです。
 それがch の直後にs がきた場合。
 この場合、chs で「クス」という読み方に変わってしまうのです。
 数字の6はドイツ語でsechs(ゼクス)ですが、この際「ゼヒス」と読まないように注意してください。
 ch の後にs が来た場合だけは、その1で覚えた内容が当てはまらないんですね。
 それから、x もchs と同じ読み方をします。
 chs,x =「クス」となるわけです。

 ・Fuchs〔フクス〕キツネ  Examen〔エクサーメン〕試験

その3.-ig の発音
 語末の-ig は「イッヒ」と読みます。
 -ich と同じ発音です。
 なので、Teppich とTeppig(こんな語はありませんが)は全く同じ発音になるわけです。
 どちらも「テピッヒ」となるわけです。
 ちなみに、-ig を「-イック」と発音するドイツ人も多いです。

 ・traurig〔トラォリッヒ〕悲しい

その4.pf の発音
 ドイツ語を勉強していると、綴りの中にpf が入っている語をよく見かけます。
 このpf 、実はちょっとクセ者なんです。
 日本語で表記すると、「プフ」という音でローマ字通りなのですが、
 音の出し方が全然違うのです。
 まずf を発音するときのように上の前歯を下唇に当てます。
 できましたか?それではそのままの状態でさらに上唇を閉じましょう。
 そしてp を発音すればpf の発音です。
 p とf を同時に発音する感じです。
 難しい?大丈夫です。日本語風に「プフ」と発音してもドイツ人はちゃんと理解してくれます。
 ただ、やっぱり正しい発音はできるに越したことはありませんよね。
 pf =p とf を同時に発音です。

 ・Kopf〔コプフ〕頭  Pferd〔プフェァト〕馬

その5.qu の発音
 qu は「クヴ」という音になります。
 q が「ク」になるのは予想できそうですが、その後にu が続くと、「ヴ」と濁るわけです。
 例を見てみましょうか。

 ・Quadrat〔クヴァートラート〕正方形  Quelle〔クヴェレ〕泉

その6.sch の発音
 sch は「シュ」という音になります。
 この音、ドイツ語を聞いていると最もよく聞く音だと思います。

 ・Schule〔シューレ〕学校  Schwester〔シュヴェスター〕姉妹  Tasche〔タッシェ〕かばん

その7.語頭のsp-, st- の発音
 単語の最初のsp- とst- には注意が必要です。
 英語風に「スプ」、「スト」と呼んでしまいがちですが、
 sp-とst-はそれぞれ「シュプ」、「シュト」と読みます。

 ・Sport〔シュポルト〕スポーツ  Straße〔シュトラーセ〕通り

その8.tsch の発音
 tschは「チュ」と読みます。
 語頭に来ることはめったにありません。

 ・Deutsch〔ドイチュ〕ドイツ語

その9.dt, th の発音
 dt は「ト」と読みます。
 Stadt を「シュタドト」と読んだりしないように気をつけましょう。
 ドイツ語のth は外来語に使われますが、英語のth よりは日本語のタ行に近い発音です。
 下を歯の間に挟んだりしなくて良いので、日本人には英語よりずっとやさしいですね。

 ・Stadt〔シュタット〕街  Thema〔テーマ〕テーマ

以上で文字・発音の基礎編は終わりです。
次回からは文法に入っていきます。

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noch einen Schritt weiter ~もう一歩先へ~

発音の話が1通り終わったところで、練習も兼ねて11から上の数字について学習していきましょう。
11はドイツ語でelf といいます。
そして12はzwölf です。ちゃんと読めますか?
12までは昔の12進法(ダース)のなごりで、覚えなければなりませんが、
13~19まではこれまで覚えた数字で組み立てることができます。
その組み立て方ですが、1の位の数にzehn (10)を付ければOKです。
たとえば、13ならdreizehn 、19ならneunzehn という具合です。
ただし、16と17は注意が必要です。
16はsechszehn ではなくsechzehn 、
17はsiebenzehn でなくsiebzehn となります。
「ゼクスツェーン」なんていうより「ゼヒツェーン」、「ズィーベンツェーン」より「ズィープツェーン」の方が言いやすいですよね。

次に20から先の数字についてです。
まずは切りのいい数字を挙げていきますと、
20 zwanzig
30 dreißig
40 vierzig
50 fünfzig
60 sechzig
70 siebzig
80 achtzig
90 neunzig
とこのようになります。
基本的に、2~9までの数字に-zig を足せばいいだけですね。
30のときだけ-ßig に変わり、60,70は言いやすいように少し変化しています。
ちなみに18はachtzehn 、80はachtzig ですが、それぞれ「アハツェーン」「アハツィッヒ」と読み、
「アハトツェーン」「アハトツィッヒ」にはならないことに注意してください。

では28や56など、キリの悪い数字はどう言うのでしょうか。
これはとても簡単です。
まず1の位の数を言っておいて、それから10の位を言っていきます。
28を例に取ると、ドイツ語では
achtundzwanzig といいます。
最初のacht は8のことでしたね。
次のund は英語のand にあたり、接着剤の役割をしています。
最後のzwanzig は20で、8と20という言い方で28を表します。
同様に、56ならsechsundfünfzig と言えばいいわけですね。

100はドイツ語でhundert といいます。 200ならzweihundert 、300ならdreihundert と、100の位はかなり簡単に言い表せます。
222はzweihundertzweiundzwanzigと、100の位、1の位、10の位の順番で表現します。
1000はドイツ語でtausend といいます。
2000ならzweitausend と、こちらも簡単に言い表せます。
2222ならzweitausendzweihundertzweiundzwanzig と、1000の位、100の位、1の位、10の位の順番に表現します。

千の次は万ですが、1万はドイツ語で10千と解釈します。
すなわち、10,000 ならzehntausend と書くわけです。
同様に、100,000 ならhunderttausend です。
英語と同様ドイツ語でもゼロ3つおきに位が上がり、1,000,000 はeine Million となります。
さらにゼロが3つ付くと1,000,000,000 eine Billion となります。
このMillion とBillion は数詞ではなく名詞の扱いになりますので、大文字で書き始めます。
複数形はen が付いたMillionen, Billionen という形。
zwei Millionen, drei Billionen という風に使います。
名詞の複数形については後の単元で学習しますので、ここではあまり気にする必要はありません。

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