Lektion4 人称代名詞

今回からいよいよ文法に入りますよ。

1.人称代名詞

最初にドイツ語の人称代名詞を確認しておきましょう。
人称代名詞とは、英語で言うI やyou など、人を表す代名詞です。

単数 複数
1人称 ich〔イッヒ〕 wir〔ヴィァ〕
親称2人称 du〔ドゥー〕 ihr〔イーァ〕
敬称2人称 Sie〔ズィー〕 Sie〔ズィー〕
3人称 er〔エァ〕, sie〔ズィー〕, es〔エス〕 sie〔ズィー〕

1人称単数というのは話し手、つまり「私」のことです。
「僕」でも「俺」でも「吾輩」でも自分のことはich で表わします。
英語のI に相当するものです。英語とちがい、文中では小文字で書き始めますので注意してください。
これが複数になるとwir 、「私」が増えるわけですから「私たち」となります。
英語ではwe ですね。

2人称というのは聞き手、「あなた」です。
英語ではyou に相当します。

3人称は「私」でも「あなた」でもない他の人や物です。
よく「彼」「彼女」「それ」といった訳され方をされます。
3人称単数のer, sie, es はそれぞれ、英語のhe, she, it に当たり、
3人称複数のsie は英語のthey に当たります。

2.「あなた」と「きみ」は違う人?

さて、英語を勉強するときにも同様の表を使って覚えたと思いますが、
英語と比べて明らかな違いが1つありますね?

そうです。2人称が親称と敬称に分かれているんです。
フランス語やスペイン語を勉強された方なら馴染みのある区別でしょうが、
初めて見る方は混乱してしまうでしょう。

日本語で「あなた」を指す場合に「おまえ」や「君」などいろいろな言い方がありますよね?
ドイツ語にも同様で、「おまえ」と呼ぶような親しい間柄の相手にはdu を、
「あなた」と呼ぶような少し距離のある相手にはSie を使います。
初めて出会った人にはSie を使って話をし、時間が経って仲良くなれば「お互いdu で呼び合おっか?」となるわけです。
ドイツ語ではこれをduzen (ドゥーツェン)すると言います。

また、よくdu は「君」と訳されSie は「あなた」と訳されることが多いです。
テストで、du を「あなた」と訳してしまったために減点されてしまったなんて話も聞いたことがあります。
実際にはdu を「あなた」と訳す場面はあるものの、「君」と訳す方が圧倒的に多いため、du は「君」と覚えなさい、ということなんでしょうね。
もちろん、夫婦の会話で奥さんが「あなた、ご飯ができたわよ」なんて言うときには、
夫婦という親しい間柄なのでdu を使いますが、このdu は「あなた」と訳しますよね。

ところでこの敬称2人称のSie ですが、S が大文字となるのに気を付けてください。
3人称単数のsie (彼女)や3人称複数のsie(彼ら・彼女ら・それら)のS は文頭に来ない限り小文字ですが、
敬称2人称のSie については単数・複数にかかわらず、文中でも大文字のS で書き始めます。

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noch einen Schritt weiter ~もう一歩先へ~

前回数字について学習したので、今回は年号の読み方です。
「私は1980年生まれです」というのはドイツ語で、

・Ich bin 1980 geboren.

といいます。
ここでは、文法については気にしません。
この文の読み方は前回学習した数字の読み方によると
〔イッヒ ビン アインタウゼント ノインフンダート アハツィッヒ ゲボーレン〕
となりますね。
ところが、数字が年号の時だけは特殊な読み方をし、この文では
〔ノインツェーンフンダート アハツィッヒ〕(neunzehnhundertachtzig)と読みます。
19(を100個)と18に分けて読むのですね。
同様に、たとえば1625年なら
〔ゼヒツェーンフンダート フュンフ ウント ツヴァンツィッヒ〕(sechzehnhundertfünfundzwanzig)
と、16と25に分けて読みます。

ただし、例外があります。
それは、20XX年の場合。
この場合は、通常の数字と同様に読みますが、
21XX年以上になった場合はまた2つに分けて読む読み方に戻ります。
しかしこれはあと半世紀は先のことですね。

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