Lektion8 人称代名詞の格

ここでは人称代名詞の格についてお話します。

1.人称代名詞の格

さて、名詞には格があるとお話しましたが、ich やdu のような人称代名詞にももちろん格はあります。
これを表で確認しておきましょう。

sie が３つあり、３人称の単数と複数で違った変化をしているのに気を付けてください。
人称代名詞の2格ですが、覚える必要はありません。
～の、と言うときにはこの後登場する所有代名詞を使うからです。
なので、人称代名詞の2格と出会うことはまずありません。
では、例文を載せておきましょうか。

・Er gibt ihr das Auto.(彼は彼女にその車を渡す。)

「～に」という訳になるのでsie の3格が使われ、「車を」ですから中性名詞の4格のdas が使われていますね。

2.所有代名詞

所有代名詞は「彼の車」や「彼女のネコ」といいたいときの「彼の」や「彼女の」にあたることばです。
これの一覧表を見てみましょうか。

所有代名詞は、不定冠詞の代わりに用い、変化もこれに準じます。
mein, ihr, unser をそれぞれ例にとって説明した表を書くと、

Wagen は男性名詞で車、Katze は女性名詞でネコ、Haus は中性名詞で家です。
どの所有代名詞も、不定冠詞と同様の変化の仕方をしていますね。
また、unser とeuer においては、unserem Haus のようにe が2度続いてしまう場合、はじめのe を省略してもよいことになっています。
unserem Haus ならunsrem Haus としてもいいわけです。
これらの所有代名詞と前回学習したkein を合わせて不定冠詞類と呼びます。

noch einen Schritt weiter ～もう一歩先へ～

ドイツ語の他動詞の目的語の語順についてのお話。
ドイツ語の他動詞とは、4格目的語をとる動詞のことをいいます。
3格目的語しかとらない動詞は、英語と違い自動詞となるので、気を付けてください。
たとえばgafallen （～の気に入る）という動詞です。
この動詞は、

・Das Bild gefällt mir sehr.(この絵は私のお気に入りである。）（＝私はこの絵をとても気に入っている。)

のように、3格の目的語をとりますが、これは自動詞となります。

さて、ドイツ語で目的語を２つとる動詞の場合、その語順に迷うことがあります。
そのときのルールですが、
１．両方とも名詞なら3格・4格の順番
２．片方が人称代名詞なら人称代名詞・名詞の順番
３．両方とも人称代名詞なら4格・3格の順番
このようなルールが用いられます。

具体例を見てみましょう。
まずルール１が適応される場合。

・Ich gebe Daniel das Hemd.(私はダニエルにこのシャツをあげる。)

人称代名詞は使っていないので、「～に～を」という3格・4格の語順になっています。

次にルール２の例

・Ich gebe ihm das Hemd.(私は彼にこのシャツをあげる。)
・Ich gebe es Daniel.(私はこれをダニエルにあげる。)

どちらも人に物をあげるという文ですが、人称代名詞を先に、名詞を後ろに持ってきています。

最後にルール３の例

・Ich gebe es ihm.(私はこれを彼にあげる。)

目的語がどちらも人称代名詞の場合、「～を」にあたる4格を先に持ってきます。