Lektion9 命令文・疑問文

今回はいろいろな文の形についてです。

1.命令文

はじめに命令文ですね。
命令文といっても、「~しろ」という命令の文のほかに「~してください」というお願いの文も含まれます。
さて、この命令文ですが、作り方はとても簡単です。
まずは敬称2人称のSie に対する命令文からやっていきましょう。

たとえば、

・Sie geben mir die Armbanduhr!(あなたは私にその腕時計をくださります。)

という文があったとします。
これを命令文にするには、動詞を文頭に持ってきて、「!」を付けるだけでOKです。

・Geben Sie mir die Armbanduhr!(その腕時計を私に渡せ。)

という具合ですね。
「!」はクエスチョンマークに対し、エクスクラメーションマークと言います。
しかし実際にはSie を使う相手に「渡せ」なんて言葉遣いをすることは少ないでしょう。
そこで、お願いの表現です。
これは、文頭か文末に「bitte」を付けるだけで命令文が丁寧になります。

・Bitte, geben Sie mir die Armbanduhr!(その腕時計を私に下さい。)

あるいは

・Geben Sie mir die Armbanduhr, bitte!(その腕時計を私に下さい。)

という感じです。
Armbanduhrは女性名詞で「腕時計」です。

次に、du に対する命令文です。
これは、動詞を語幹(+-e )だけの形にして、文頭に持ってくればOKです。
語幹の後ろの-e は本来なら付けるのですが、日常会話では省略されることが多いです。

・Komm!(来い。)

あるいは

・Komme!(来い。)

といった感じです。

そして、ihr に対する命令形ですね。
これは動詞を語幹+-t の形にして、文頭に持ってくればOKです。
平叙文の主語を省いた形と変わりません。

・Esst mehr!(もっと食べろ。)

という感じになります。
mehr は「もっと」という意味です。

sein を使った命令文だけは、これまでの法則と違い、以下の形になります。
Sie の場合 Seien Sie!
du の場合  Sei!
ihr の場合 Seid!
例文を挙げると、

・Sei ruhig!(静かにしろ。)

という感じです。
ruhig は「静かな」と言う意味の形容詞です。

2.疑問文

ドイツ語の疑問文は作り方が簡単です。
基本は動詞を文頭に持ってきて、「?」を付けるだけです
つまり、

・Er kommt heute.(彼は今日来ます。)

という文を疑問文にするには、

・Kommt er heute?(彼は今日きますか。)

と、動詞を文頭に持ってきてやるだけでいいのです。
heute は「今日」という副詞です。
これに対する返答は「はい」なら「ja 」、「いいえ」なら「nein 」と答えます。

・Ja, er kommt heute.(はい。彼は今日来ます。)

・Nein, er kommt nicht heute.(いいえ、彼は今日は来ません。)

ちなみに、どちらとも答えがたいことを聞かれたときの答えにja とnein を組み合わせた
「jein」という返事が使われることがあります。

では、否定疑問文の場合はどうでしょう。
否定疑問文とは、「~ではないのですか?」と、否定の形で聞かれる疑問文です。
この場合、疑問文はnicht を付け加えるだけで完成です。

・Kommt er nicht heute?(彼は今日来ないのですか。)

これに対する返答には注意が必要です。
「いいえ」なら「doch 」、「はい」なら「nein 」を使って答えます。

・Doch, er kommt heute.(いいえ、彼は今日来ます。)

・Nein, er kommt nicht heute.(はい、彼は今日は来ません。)

混乱してきましたか?最後に、補足疑問文について。
これは、疑問詞を使った疑問文ですので、まずは疑問詞を覚えましょう。
何が、何を  was
どのように  wie
どこで    wo
どこから   woher
どこへ    wohin
いつ     wann
なぜ     warum
疑問文の作り方は、疑問詞を文頭に持ってきてあとは決定疑問文(ふつうの疑問文)と同様です。
kaufen (買う)を例に、例文を作ってみましょう。

・Was kaufen Sie?(あなたは何を買うのですか。)

・Wo kaufst du das?(君はどこでそれを買うんだい。)

・Wann kauft er das?(彼はいつそれを買うのかな。)

疑問詞を覚えておけば、旅行に行った時にとても役立ちます。

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noch einen Schritt weiter ~もう一歩先へ~

du に対する命令形について、もう少し詳しい話をしておきます。
du の命令形は語幹+(-e )ということでしたが、語幹は不規則変化動詞なら変化します。
Essen を例に挙げると、du の場合はdu isst と変化しますね。
命令形の場合でも、

・Iss mehr Obst!(もっと果物を食べろ。)

となります。
そして、このようにdu が主語で現在人称変化するとき母音がe からi (またはie )に変わる動詞は、命令形の-e は付けないことになっています。
なので

・*Isse mehr Obst!

という文は存在し得ないわけですね。
「*」のマークは間違った文法ですよ、という印です。

これとは逆に、語尾の-e を落としてはいけない動詞もあります。
それは、
語幹が-t, -d に終わる動詞
語幹が-ig に終わる動詞
不定詞が-ern, -eln に終わる動詞
これらの場合、du に対する命令形の-e は落としてはいけません。

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